【2026W杯グループJ第5戦】アルジェリアとオーストリアは激闘の3-3ドロー!後半ATの2発で両者そろってノックアウトステージ進出決定!

※本記事に記載されている内容は、あくまでも筆者個人の感想および戦術的見解であり、公式な見解を示すものではありません。

FIFAワールドカップ2026、グループJの最終枠(2位以内)を巡る運命の直接対決。前節ヨルダン戦での鮮烈な逆転勝利で勢いに乗る「砂漠の狐」アルジェリア代表と、ラルフ・ラングニック監督仕込みのハイプレスとハードワークを武器に連勝を狙うオーストリア代表の一戦が行われました。笛が鳴った時点で引き分けであれば他会場(アルゼンチン対ヨルダン)の結果に大きく左右されるサバイバル。ピッチの上で展開されたのは、後半アディショナルタイム(後半AT)に劇的なドラマが凝縮された、大会史に残る3-3の壮絶な大乱打戦でした。この結果、両者が貴重な勝ち点1を分け合い、勝ち点4で並んだ結果、見事にアルジェリアとオーストリアの両チームが揃ってノックアウトステージ進出(ラウンド32)をドラマチックに手繰り寄せました!

試合は前半28分、オーストリアの精神的支柱ダヴィド・アラバ(アラバ)のピンポイントパスから、エースのマルコ・アルナウトヴィッチ(アルナウトヴィッチ)が右足で冷徹に沈めて先制。しかしアルジェリアも前半45分、ベルガリが自らブロックされたこぼれ球を押し込んで同点に追いつきます。後半に入るとさらにインテンシティ(強度)が加速。後半10分にオーストリアのマルセル・ザビツァー(ザビツァー)の鋭い一撃で突き放されるも、わずか5分後の後半15分には絶対的カリスマのリヤド・マフレズ(マフレズ)が左足で叩き込み2-2。そして、試合のクライマックスは後半アディショナルタイムに待っていました。

最終スタッツのシュート数は「アルジェリア12本 vs オーストリア10本」(枠内5対3)、ゴール期待値では「オーストリア1.17 vs アルジェリア0.93」と、ほぼ互角のクオリティを示した両雄。プロのサッカー解説者の視点から、この歴史的な死闘の戦術的ディテールを徹底的に解剖します。

目次

1. 両チームのシステムとゲームプラン:ポゼッションで圧倒したアルジェリアの「4-2-3-1」と、ハイプレスを仕掛けたオーストリアの「4-2-3-1」

まずは、ピッチ上に並んだ両チームのスターティングメンバーと、それぞれの指揮官が用意したゲームプランから紐解いていきましょう。

アルジェリア:マフレズの引力と圧倒的なパスワークを軸にした「4-2-3-1」

アルジェリアは、これまでの連携不足という課題をブラッシュアップし、ポゼッションスタイルを完結させるため、王道の「4-2-3-1」のシステムを選択しました。最終ラインは右からベルガリ(後半途中にシェルギ)、アイッサ・マンディ(マンディ)、ラミ・ベンセバイニ(ベンセバイニ)、ハジャム(後半途主にアイトヌーリ)。中盤の底にナビル・ベンタレブ(ベンタレブ)とアワール(後半終盤にゲジェミス)のダブルボランチ。2列目は右にキャプテンのマフレズ、トップ下にマザ、左にシャイビ。最前線にアミイン・グイリ(グイリ、後半途主にベライド)を据えた実力派の布陣です。

アルジェリアのゲームプランは明確でした。前半の時点でポゼッション率55%を記録した通り、伝統の地上戦ビルドアップでオーストリアのプレスを引き剥がすこと。ビルドアップのミスから失点を重ねていたリスク管理を徹底し、マフレズの個の引力からハーフスペースを強襲する狙いを持っていました。

オーストリア:前線からのハードワークでハントを狙った「4-2-3-1」

一方、ラングニック監督のもとで強度の高いフットボールを志向するオーストリアも、同じくミラーシステムとなる「4-2-3-1」を採用。最終ラインは右からシュテファン・ポッシュ(ポッシュ)、フィリップ・リーンハルト(リーンハルト)、アラバ(後半途主にケヴィン・ダンソ)、フィリップ・ムウェネ(ムウェネ、後半終盤にカライジッチ)。中盤の底にザイヴァルトとシャヴェル・シュラガー(シュラガー、後半からフローリアン・グリリッチュ)。2列目は右にコンラート・ライマー(ライマー)、トップ下にロマーノ・シュミット(シュミット、後半からポール・ヴァナー)、左にザビツァー。最前線にアルナウトヴィッチ(後半からミヒャエル・グレゴリッチュ)が鎮座する布陣です。

オーストリアの狙いは、ボール保持を好むアルジェリアの低い位置での回しに対し、無慈悲なハイプレスとハードワークを仕掛けてビルドアップをハントすること。奪った瞬間にザビツァーやライマーが縦への切り替えのスピードを上げ、一気にショートカウンターを完結させるゲームプランでした。

2. 【前半の攻防】アルナウトヴィッチの電撃先制弾と、ベルガリが執念でもぎ取った同点劇

前半の45分間(アディショナルタイム含め50分間)は、アルジェリアが6割を超えるポゼッションで押し込むものの、オーストリアが完璧な網で迎撃する、極めて緊張感の高いタクティカルな攻防が展開されました。

前半28分:アラバの極上パスから、アルナウトヴィッチが仕留めた先制点

試合は前半28分に動きます。中央でボールを保持したアラバが、アルジェリアのディフェンスラインが一瞬スライドを怠った隙を逃さずに完璧な縦パス。これに最高のタイミングで抜け出したアルナウトヴィッチが、ペナルティーエリア中央から右足でゴール右下へと冷徹に流し込み、オーストリアが先制に成功します。

【アルジェリア 0 – 1 オーストリア】(前半28分)

前半45分:シャイビの枠直撃から、ベルガリがねじ込んだ値千金の同点弾

先制を許したアルジェリアでしたが、ここからの個人技が見事でした。前半40分にシャイビの強烈なシュートが枠に直撃してモメンタムを掴むと、前半45分、右サイドバックのベルガリが果敢な進入から一度はシュートをブロックされたものの、そのセカンドボールに誰よりも早く反応。エリア中央から左足でゴール右上へと突き刺し、1-1の同点に追いついてハーフタイムを迎えます!

【アルジェリア 1 – 1 オーストリア】(前半45分)

3. 【後半の混沌】ザビツァーの超絶ミドルと、マフレズが魅せた満額回答の同点弾

後半、オーストリアのベンチが動きます。ハーフタイムにグレゴリッチュ、グリリッチュ(グリリッチュ)、ヴァナーの3枚を一気にピッチへ送り込み、中盤のスクラップ&ビルド(戦術再構築)を敢行。

後半10分:ライマーの配給から、ザビツァーが突き刺した勝ち越し弾

後半10分、オーストリアが再び牙を剥きます。右サイドのライマーからのパスに反応したザビツァーが、ペナルティーエリア手前から右足をコンパクトに振り抜くと、放たれた弾丸シュートがゴール右上へと鮮やかに突き刺さり、1-2。

【アルジェリア 1 – 2 オーストリア】(後半10分)

後半15分:アワールのクロスから、エース・マフレズが沈めた電撃同点劇

リードを許したアルジェリアもすぐさまやり返します。わずか5分後の後半15分、エリア内へ侵入したアワールの高精度クロスに対し、中央で完璧に連動したマフレズがペナルティーエリア中央から得意の左足でゴール右上へと流し込み、2-2!試合は混沌盤面へと突入します。

【アルジェリア 2 – 2 オーストリア】(後半15分)

4. 【激動のアディショナルタイム】マフレズのこの日2点目と、カライジッチが救ったラストプレーの奇跡

後半26分にアルジェリアはベライドやシェルギらを投入して逃げ切りも視野に入れたリスク管理へ移行。この時点でアルジェリアはベンセバイニ、マンディ、ベンタレブの3名が揃って「パス数100本」の大台を突破し、チーム総パス数も驚異の「650本」を記録する圧倒的なコントロールゲームを遂行していました。しかし、本当のドラマはアディショナルタイムに待っていました。

後半48分:アワールの極上スルーパスから、マフレズが沈めた劇的逆転弾!

後半48分、エリア手前からアワールが針の穴を通すような極上のスルーパス。これに抜け出したマフレズがペナルティーエリア中央から右足でゴール左下へと流し込み、3-2!この試合初めてアルジェリアがリードを奪い、ノックアウトステージ首位通過(※あるいは2位以内)を完全に手中に収めたかに思われました。

【アルジェリア 3 – 2 オーストリア】(後半48分)

後半51分:ラストプレーの地鳴り。カライジッチが叩き込んだ劇的同点ヘッド!

後がないオーストリアは後半50分、ムウェネを下して超大型ストライカーのサシャ・カライジッチ(カライジッチ)を投入するプランBのパワープレーを敢行。 そして後半51分、正真正銘のラストプレー。左サイドを強引にドリブルで前進したザビツァーのピンポイントクロスに対し、中央でグレゴリッチュが繋ぐと、最後はエリア中央で圧倒的な打点を見せたカライジッチがヘディングシュートをゴール右下へと叩き込み、3-3!スタジアムが地鳴りのような歓声に包まれた直後、試合終了のホイッスルが鳴り響きました。

【アルジェリア 3 – 3 オーストリア】(後半51分)

5. 戦術的総括:勝敗(ドロー)を分けた3つのポイント

この熱戦において、両者が3-3というスコアで勝ち点1を分け合い、揃って突破を決めた要因は、以下の3点に集約されます。

① リヤド・マフレズの「圧倒的な個の輝き」と圧巻のドッピエッタ

これまでの流れからの得点不足という重圧を、アルジェリアの絶対的カリスマ(マフレズ)が自らの左足と右足で完全に過去のものにしました。後半15分の同点弾、そして後半48分の劇的な逆転ゴール。一瞬のチャンスを100%完結させた彼のクオリティこそが、チームに最高の結果をもたらしました。

② アルジェリアの「パス650本・100本トリオ」によるゲーム支配力

アルジェリアのポゼッションサッカーは完成の域に達していました。ベンセバイニ、マンディ、ベンタレブの3名が揃ってパス総数100本を突破したデータが示す通り、オーストリアのハードなハイプレスを中盤で完璧にいなし続けました。これほど盤石にボールを動かせたからこそ、終盤までインテンシティ(強度)を維持したアタックを展開できました。

③ ラングニック監督による「カライジッチ投入」というプランBの執念

オーストリアとしては、後半アディショナルタイムに被弾するという絶望的なシチュエーションにおいて、1秒も諦めずにパワープレーへと移行した指揮官の選手層マネジメントが見事満額回答となりました。ザビツァーのクロス、グレゴリッチュの繋ぎ、そしてカライジッチのフィニッシュ。終了間際のあの短い時間で、組織的な高さを活かした規律を見せつけた執念こそが、奇跡の同点劇を生み出しました。

今後の展望:アルジェリア・オーストリアともにノックアウトステージへ進撃!

グループステージ全3節を終え、アルゼンチンに次ぐ激戦区を戦い抜いたアルジェリア代表とオーストリア代表は、ともに1勝1分け1敗・勝ち点4(得失点差等の動向に基づき)で見事にグループステージ突破を完全な形で決定づけました。

マフレズの完全なる覚醒に加え、パス数650本を記録する圧倒的なビルドアップの修正力を見せたアルジェリアは、一発勝負のラウンド32以降において、対戦する強豪国にとっても凄まじいプレッシャー(天敵)となるはずです。また、ラストプレーで奇跡を起こしたオーストリアの驚異的なメンタリティとザビツァーを中心とした高いハードワーク規律も、次のステージで台風の目となるポテンシャルを証明しました。死線をくぐり抜けて生き残った両チームの、次なるステージでの航海からも目が離せません。

(執筆:サッカー解説者)

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