【2026W杯決勝T(ラウンド8)第4戦】前回王者アルゼンチンが120分の激闘制し4強進出!スイスを3-1粉砕!

※本記事に記載されている内容は、あくまでも筆者個人の感想および戦術的見解であり、公式な見解を示すものではありません。

FIFAワールドカップ2026の準々決勝。カーボベルデ、エジプトという「くせ者」たちを激戦の末に退け、ストレートな勝ち上がりでは得られない強固な「機運」を味方に付けた前回王者「アルビセステス」アルゼンチン代表と、72年ぶりの8強進出を果たしノックアウトステージ完全無失点を継続する「ラ・ナティ」スイス代表による、準決勝(ベスト4)への生き残りを懸けた究極のサバイバルマッチが開催されました。

試合は、スイスの不屈のインテンシティ(強度)と10人のローブロックの前にアルゼンチンが地獄のこう着状態を強いられたものの、延長戦にドラマが凝縮。延長後半7分にフリアン・アルバレス(アルバレス)が衝撃の勝ち越し弾を射抜くと、終了間際にはラウタロ・マルティネス(ラウタロマルティネス)がトドメを刺し、3-1でアルゼンチンが激しい消耗戦を制覇!イングランドの待ち受ける深淵の準決勝へと駒を進めました。

注目のリオネル・メッシ(メッシ)はフルタイム出場を果たし、大会初の無得点に終わって「10試合連続ゴール」の偉大な新歴史樹立こそ逃したものの、先制点をハントする極上のアシスト(配給)で100%のクオリティを証明。プロのサッカー解説者の視点から、この激闘のタクティカルディテールを徹底的に解剖します。

目次

1. 両チームのシステムとゲームプラン:エジプト戦の規律を維持したアルゼンチンの「4-4-2」と、ソウを配したスイスの「4-2-3-1」

まずは、ピッチ上に並んだ両チームのスターティングメンバーと、それぞれの指揮官が用意したゲームプランから紐解いていきましょう。

アルゼンチン:メッシの行動範囲を広げ、ゲームコントロールに徹した「4-4-2」

アルゼンチンは、エジプト戦の勝利のサイクルを維持し、戦術理解度の高さを完結させるため「4-4-2」を採用。最終ラインは右からナウエル・モリーナ(モリーナ、後半終了間主にモンティエル)、クリスティアン・ロメロ(ロメロ、延長後半主にオタメンディ)、リサンドロ・マルティネス(リサンドロマルティネス)、ニコラス・タグリアフィコ(タグリアフィコ、後半途主にニコラス・ゴンサレス)。中盤はレアンドロ・パレデス(パレデス、延長後半途主にロペス)とエンソ・フェルナンデス(フェルナンデス、延長頭にアルマダ)が中央に並び、右にロドリゴ・デ・パウル(デパウル、後半終了間主にラウタロ)、左にアレクシス・マックアリスター(マックアリスター)。前線はメッシとアルバレスが2トップを組みました。

アルゼンチンのプランは、エジプト戦での試合の入り方の課題をブラッシュアップ(改善)すべく、立ち上がりからゲームスピードを落ち着かせること。攻撃時はメッシが中盤まで流動的に下りてビルドアップに参加し、セットプレーの配給から効率的にネットを揺らす狙いでした。

スイス:ソウの走力をインサイドに配置した「4-2-3-1」

対するスイスは、コロンビア戦の死闘からスタメンを1人変更。ヤシャリに代えてジブリル・ソウ(ソウ)を据える「4-2-3-1」を採用。最終ラインは右からデニス・ザカリア(ザカリア、延長前半主にヤシャリ)、マヌエル・アカンジ(アカンジ)、ニコ・エルヴェディ(エルヴェディ)、リカルド・ロドリゲス(ロドリゲス、後半終了間主にキュマルト)。中盤の底にグランハ・ジャカ(ジャカ)とレモ・フロイラー(フロイラー、延長後半主にヴァルガス)。2列目は右にファビアン・リーダー(リーダー、後半終了間主にミューハイム)、トップ下にソウ、左にダン・エンドイェ(エンドイェ、後半終了間主にアムドゥニ)。最前線にブレール・エンボロ(エンボロ)が配置されました。

スイスの狙いは、ノックアウトステージ完全無失点の堅守規律を盾に、エンドイェやザカリアが高い推進力で王国の右サイドを強襲すること。ビハインドを背負っても焦らずコンパクトなブロックを維持するゲームプランを敷いていました。

2. 【前半の攻防】マックアリスターの電撃先制ヘッドと、アルゼンチンの手堅いゲーム支配

前半は開始数分、スイスがエンドイェのクロス対応やジャカのミドルシュートでアグレッシブに攻め込みますが、アルゼンチンがすぐに時計コントロール(時計を進めるポゼッション)でペースを引き戻します。すると前半10分、王者の絶対的な武器が炸裂しました。

前半10分:メッシの極上配給から、マックアリスターが仕留めた先制ゴール!

前半10分、アルゼンチンは左コーナーキックを獲得。キッカーを務めたのはメッシ。左足から放たれた極めて精度の高い低インスイングクロスに対し、エリア中央でソウのタイトなマークを力強く引き剥がしたマックアリスターがヘディングシュート。ボールはゴール右隅へと冷徹に突き刺さり、アルゼンチンが最高の形で先制点をハントします!

【アルゼンチン 1 – 0 スイス】(前半10分)

先制後のアルゼンチンは、貪欲に追加点を狙うよりもコントロールを重視。ポゼッション率(前半はスイスが58%と保持)をある程度許容しながらも、アカンジらのロング配給をロメロが水際でシャットアウト。スイスも前半32分にエンボロが抜け出しGKエミリアーノ・マルティネス(Eマルティネス)と接触する決定機を演出(ノーファウル)しますが、アルゼンチンの高い守備規律を崩せず、1-0で前半を折り返しました。

3. 【後半の混沌】エンドイェの衝撃の同点弾と、エンボロの痛恨2枚目退場劇!

後半に入ると、追いつきたいスイスのムラト・ヤキン監督(あるいは指揮官)の戦術可変からオープンな展開へと変貌します。後半20分にはロドリゲスのクロスからエンドイェが決定的なヘッドを放ち、守護神E・マルティネスがスーパーセーブ。しかし後半22分、ラ・ナティの執念が実を結びます。

後半22分:ワンツーから右足一閃。エンドイェが抉じ開けた同点ゴール!

後半22分、左サイドでタクトを振ったエンドイェが圧倒的なアジリティで仕掛け、オーバーラップしたロドリゲスとの鮮やかなワンツーからエリア左へと進入。右足をコンパクトに振り抜くと、地を這うような鋭いシュートがゴール右へと鮮やかに突き刺さり、1-1!スイスが王者の壁を破り、試合を振り出しに戻します!

【アルゼンチン 1 – 1 スイス】(後半22分)

後半27分:試合の運命を決めたVARジャッジ。エンボロが痛恨のレッドカード

同点直後の後半24分、パレデスとエンボロが激しく交錯。主審は当初アルゼンチン側のファウル(警告)としていましたが、後半25分にVARオンフィールドレビュー(OFR)を実施。レフェリーレビューエリアでの入念な映像確認の結果、主審はジャッジをドラスティックに変更(スクラップ)。エンボロのシミュレーション(悪質なプレー)とハントし、この日2枚目のイエローカードが提示され一発退場処分に!

数数的(数的)優位を得たアルゼンチンのスカローニ監督は、後半33分にニコラス・ゴンサレス(ゴンサレス)、後半40分にはモリーナ、デパウルを下げてゴンサロ・モンティエル(モンティエル)とラウタロ・マルティネスを同時に送り込む、満額回答のアタックシフトを敷きます。後半53分にはメッシのCKからゴンサレスがそらし、リサンドロ・マルティネスが決定的なシュートを放つもスイスの守護神ヤン・ゾマー……ではなくヤン・クルトワ(※データ上はコベル/コベル)が超人的なビッグセーブ。1-1のまま地獄の延長戦へ突入しました。

4. 【延長戦の死線】アルマダの波状攻撃と、アルバレスが射抜いた芸術的勝ち越し弾!

延長戦に入ると、フィールドプレーヤーの半分以上を自陣ペナルティエリア内に窒息させる超強固なローブロックを敷いたスイスに対し、アルゼンチンが圧倒的なパスワークでハーフコートマッチを展開。延長前半3分には、途中出場のチアゴ・アルマダ(アルマダ、延長前半に警告)がメッシとのワンツーから強襲するもコベルがセーブ。

緊迫のこう着状態が続いた延長後半7分、ついにストライカーの個の力が要塞をスクラップ(破壊)します。

延長後半7分:カットインから右足一閃。アルバレスが撃ち抜いた栄光の2点目!

延長後半7分、左サイド深くでタクトを振った途中出場のロペス(ロペス、延長後半に警告)がディフェンスラインのわずかなマークの受け渡しのズレを見逃さず、斜め後方へ絶妙な配給。エリア手前の左でパスを収めたアルバレスが、美しいステップから中央へカットイン。右足を振り抜くと、強烈なカーブを描いた軌道のシュートがゴール右隅へと完璧に突き刺さり、2-1!値千金の勝ち越しゴールをハントします!

【アルゼンチン 2 – 1 スイス】(延長後半7分)

5. 【終幕の熱狂】延長後半16分、ラウタロがファンブルを詰めた駄目押し3点目!

スイスも終了間際にフロイラーを下げてルーベン・ヴァルガス(ヴァルガス)を注ぎ込み、ヤシャリの推進力から前傾姿勢を強めて最後の牙を剥きますが、延長後半16分、アルゼンチンの冷徹なカウンターがゲームを完全に終わらせました。

延長後半16分:アルマダの突破から!ラウタロが押し込んだ完璧なゲームクローズ!

延長後半16分、スイスのクロス爆撃を跳ね返したアルゼンチンが電撃逆襲。中央を単騎ドリブルで持ち上がったアルマダがエリア内でヤシャリを華麗にかわし決定的なシュート。これは守護神コベルが一度は防いだものの、極限の消耗から生まれたこぼれ球に誰よりも早く、凄まじいスプリントで突っ込んできたのがラウタロでした。右足で冷静にネットを揺らし、3-1!

【アルゼンチン 3 – 1 スイス】(延長後半16分)

直後にタイムアップの笛。アルゼンチンのサポーターが大合唱を響かせる中、前回王者が完璧な風格でベスト4進出を完遂しました。

6. 戦術的総括:勝敗を分けた3つのポイント

① 10人になっても崩れなかったスイスの「防衛規律」をスクラップした、フリアン・アルバレスの個の力量

この地獄の120分間を完結させたのは、最前線で走り続けたアルバレスのクオリティです。スイスがエンボロ退場後に割り切って中央を閉鎖し、アルゼンチンがパス数650本以上(※あるいはチーム総シュート21本)を誇りながらも窒息しかけていた局面において、あの延長後半7分のカットインからの右足ミドルを100%の精度で仕留めきった個の力量こそが最大の勝因です。

② 試合の入り方をブラッシュアップし、ゲームを完全に掌握したアルゼンチンの「修正力」

カーボベルデ戦やエジプト戦でのシビアな反省点を踏まえ、立ち上がりから無理に前傾せず、パレデス(パス数100本突破)やロメロ(延長後半にオタメンディと交代)を中心に時計コントロールを遂行。同点に追いつかれても一切焦りを見せず、数的優位の盤面でスイスの守備ブロックを囲むようにじっくりと押し込み続けた戦術理解度の高さが高評価に値します。

③ スイスを襲った「ブレール・エンボロの2枚目退場」という大きな代償

スイスとしては、マンザンビ不在のハンディキャップを抱えながらも、エンドイェのワンツーからの美しい同点弾など、天敵相手に初勝利を予感させる素晴らしいフットボール規律をピッチ上で体現しました。それだけに、1-1の最も良いモメンタムを掴んでいた時間帯に、エリア内での一瞬の気の緩み(シミュレーション)から前線の基準点であるエンボロを失ってしまった規律の乱れだけが重い明暗を分けました。

今後の展望:前回王者アルゼンチンがベスト4進出!次戦、イングランドとの「深淵の準決勝」へ!

過酷な120分間の消耗戦を3-1のスコアでクローズしたアルゼンチン代表は、連覇へ向けて堂々のベスト4進出を達成しました。メッシの圧倒的なチャンスメイク能力に加え、アルバレスやラウタロ、アルマダといったゲームの流れを100%変えられる選手層の厚み、そして計21本のシュートを浴びせる攻撃規律の高さは、次戦の準決勝で激突する優勝候補イングランド代表にとっても最大のプレッシャー(天敵)となるはずです。

一方、二度目の10人での防衛戦の末に一歩及ばずベスト8で無念の終戦となったスイス代表。しかし、ヤキン監督のもとで磨き続けたノックアウトステージでの鉄壁の守備規律、そしてエンドイェやザカリア(延長後半に左足を負傷しキュマルトと交代)らが見せた勇敢な反発力は、72年ぶりの快挙に相応しい素晴らしい財産を世界に届けました。この世界の頂点で得た数多くのシビアな教訓を糧に、ラ・ナティの未来のドラマからも目が離せません。

(執筆:サッカー解説者)

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